ATLANTA
ロケーション
アトランタはジョージア州に位置する、２０２０年時点え全米38位の人口を誇る南部最大都市の一つです。ジョージア州は東部時間帯に位置し、大西洋に面しています（アトランタから海岸までは車で４時間程度かかります）。フロリダ州の真上、テネシー州やノースカロライナ州、サウスカロライナ州と面しています。
多様性と公民権運動の街
アトランタは公民権運動の発祥の地の一つであり、マーチン・ルーサー・キングJrが生まれた年であり、公民権運動を語る上で外せない都市の一つです。黒人比率も約3割であり、また韓国人、日本人含めアジア系住人も多く居住している、非常にダイバーシティーに富んだ都市です。Atlanta市長もBlack系であり、市民は人種関係なく、多様性を重視し、人種差別に反対する人が非常に多い印象です。
治安
かつてはアトランタは凶悪犯罪都市と揶揄されていましたが、今は非常に治安のよい街として有名です。もちろん地域によっては危険な場所もありますが、生活圏では基本的に安全で、特にエモリー大学及び生活圏（アトランタの北部）は治安が良いことで知られています。
事実、UN Newsのランキングによると、2019年度の人口10万人あたりの犯罪発生件数は267.7件で全米平均を下回っており、同時期のヒューストン、シカゴはそれぞれ363.6件、414.3件という状況です。また、ニューヨークやロサンゼルスと比べても、人口差を補正して凶悪暴力犯罪（殺人・強姦・強盗・暴行の合計）の発生率（件数/人口の数値を人口差補正して算出）はニューヨークが1.9%、ロサンゼルスが1.3%なのに対し、アトランタは0.2%という状況です（注：件数のソースや集計方法、年度が異なるので単純比較はできません。補正データは筆者が日本領事館発表データを基に算出しました）。
なお、アトランタには在アトランタ日本領事館があるので、何かあった際は日本政府にすぐに助けを求めることができる安心感もあります（領事館は全州にあるわけではなく、拠点の都市にしか存在しないですので、何か手続きをする際は普通は州をまたいで訪問する必要があります）。
医療、アカデミア
アトランタはヘルスケアも有名です。コロナ政策の司令塔であるアメリカ疾病管理センター（CDC)は実はワシントンではなくアトランタ、しかもエモリー大学の隣に位置しています。実際、エモリー大学の公衆衛生学の教員の多くはCDCと深いつながりがあります。エモリー大学自身も医学部が非常に有名であり、エモリー大学の附属病院であるエモリーヘルスは非常に多くの病院群を保持しています。小児病院も多く、医療で心配することはほぼ無いです。
また、大学という点では、アメリカ３大工科大学の一つであるジョージア工科大学があります（残る２つはMITおカルフォルニア工科大学）。提携大学の一つなので、ジョージア工科大学のMBAコースの授業を取りに行くことも可能です。
日本食、日本文化
日本食には困りません。くら寿司、牛角はもちろんありますし、日本人オーナーもしくは日本文化をよく理解したアジア人による日本食レストラン、ラーメン屋さんが非常に多いです。
ラーメンもお寿司も（銀座本店の高級寿司の支店もあります）ありますし、居酒屋やお好み焼き屋もあります。
日本食スーパーもありますので、基本的に日本人は家でよく日本食を食べています。親日家が多い地域ですので、日本人好きの方に良く街中で声をかけられたり、日本語を勉強している方も多くいます。
ちなみに、日本でおなじみのラウンドワンなんかもあったりします。カラオケ、ボーリング、日本のアーケードゲームを日本と同じように楽しめます。
なお、日本人美容師がいる美容室もあり、テネシー州やノースカロライナ州等近隣の州から髪を切りに来ている日本人も多いそうです。
生活費
アメリカ全土が非常に厳しいインフレに見舞われていますので、アトランタも例外でないです。その上で、１ベッド１バスの部屋でエモリー大学周辺の日本人が多く住む治安のよい物件でおおよそ1300~2000ドル/月というイメージです。
ガソリンは3~3.5ドル/ガロンという状況で、比較的安いです。
西海岸や東海岸と比べると、比較的生活費が安い大都市かとおもいます。
観光
アトランタオリンピックが開かれたこともあり、観光都市でもあります。一時全米一の大きさだった水槽をもつジョージア水族館、オリンピック公園、World of Coca Cola（コカ・コーラの博物館）、動物園、植物園、CNNやCDCの博物館（注：現在、コロナで閉館中）、公民権運動博物館、歴史博物館、デルタ航空博物館、ストーンマウンテン、ヘレンというドイツ村、等観光で困ることはないです。
また、たくさんのアウトレットがあり、有名ブランドを半値以下で買うことができます。日本では考えれないぐらい非常に大きくてコンプリートするのは難しいぐらいです。
さらに、フロリダが近いので、長期休暇はよくDisney Worldに車で旅行したりします。その他、ニューオリンズやパナマビーチシティー、オーランド、マイアミに車で旅行する人が多いです。
また、アトランタ国際空港はデルタ航空の拠点空港なので、全米何処でも直通便で行けますし、羽田アトランタ直行便もあります。
産業
アトランタにはSP500にランクインする大企業が集積しており、例えば、Coca Cola、CNN、UPN、Delta航空等、の世界的企業の本社があります。ミッドタウン地区の他、バックヘッド地区に金融街・商業地区があり、非常に栄えています。
FinTechなどのスタートアップが多く、またマイノリティーに対する企業支援の輪があったりする点がユニークです。ちなみに、よくボストンやシリコンバレーにあるスタートアップへのアクセスが可能かという点で地域に悩む方も多いと思いますが、リモートが発達した今、シリコンバレーやボストンの会社とオンラインでアトランタにいながらインターンシップやプロジェクトに参画している人も多く、あまり現地にいるかどうかという点を気にしすぎる必要は昨今ないかもしれません。
自然
ひとたび郊外にでると非常に自然豊かでのどかな環境があるのが特徴です。エモリー大学から車で30分も走ればオーストラリアのエアーズロックを思わせるような、巨大な１枚岩の山であるストーンマウンテンがそびえたち、頂上からは森に囲まれた大都市アトランタを一望できます。さらに、ハイキングや湖も近くにあります。都市と自然のバランスが非常に良いのがアトランタの良さです。
